No,9494

臆病な自尊心。




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久しぶりの短文交流 :: 2016/02/20(Sat)

さっちゃんさんから「朝の香りがする人だと思った。」の言葉をいただいて、短文にしました。
あともうひとつくらいは、作りたいところ。

  朝の香りがする人だと思った。勇気をもって話してみよう、なんて、出来るわけもなくて、わたしは俯いて、彼の話をきいている。
  それでね、と彼が言う。彼の「ね」は、押し付けるのでなく一息置くような、「ね」。いつまでも聞いていたいと思った。彼の声は耳に残らない。透き通って、流れて、心地よさを残して通り過ぎてゆくだけ。歳は、三十代半ばくらい。少し乾いた肌が、笑いジワをうっすら浮き彫りにしている。無造作に伸ばされた髪はわたあめみたく空気を含んで、夕日を透かして朱く光っていた。今は見えないその姿を、わたしは一瞬で思い出せる。彼のなまえも、知らないのに。
  それでね、見たんだ、大きな、本当に大きなものだった、ぼくは驚いてしまってね、だから立ち竦んでしまった、立ち竦んでいるうちに、近付いてくるだろう、怖くは、なかったんだけども、どんどん近付いてくるんだ、ぼくは驚いてしまってね、だから立ち竦んでしまった、立ち竦んでいるうちに、近付いてくるだろう、怖くは、なかったんだけども、どんどん、近付いてくるんだ、ぼくは驚いてしまってね、だから立ち竦んでいるうちに、近付いてくるだろう、どんどん近付いてくるんだ、それでね、見たんだ、大きな、本当に大きなものだった、ぼくは、驚いてしまってね、どんどん近付いてくるんだ、ぼくは驚いてしまってね、近付いてくるんだ、近付いてくるだろう?
  公園のベンチに、1人と1人が腰掛けて、不思議な語らいは、夕日が沈むまでずっと続いた。
(了)
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